ソニア リキエル(Sonia Rykiel)が2016年春夏コレクションをパリで発表した。今季のテーマは「les oiseaux de nuit(夜鳥)」。夜に魅入られた人々、日が沈むと心が浮き立つ人々、クラブ好きや、ミュージシャンだけではなく、著述家、芸術家、思索家など、世間が眠りについている間にイマジネーションの翼を広げる人たちに捧げられた。
まず目に飛び込んでくるのは、グリーン、ブルー、レッドなどカラフルな夜鳥たちが、飛び舞うデザインのガーメンツ。メンズライクなシルエットの半袖シャツは襟部分などが、きらきらと光る加工が施してある。またパンツスタイルのセットアップは、肩の下で揺れるギャザーが女性らしさを醸し出していた。
中盤にかけて真夜中を思わすブラック、モスグリーン、ネイビーブルーなどのダークな色彩が続く。アイテムはスリットやラッフルをあしらったワンピースがいくつか登場した。その中に見受けられた迷彩柄に見えるデザインは、目を凝らすと、暗い森の中を黒い鳥が飛び回っているかのような絵柄だ。まるで、真夜中にイマジネーションの翼を自由に広げる、クリエイティブな人々を表しているよう。
後半は艶っぽく、体にそうようなシルエットのドレススタイルに変化。煌めく素材を使用し、まるで漆黒の夜空に星が散りばめられたようなデザインや、肌が透けるセンシュアルなドレスが登場した。そして目を引いたのは、手に持ったり、ラフに肩にかけられた大判のファーストール。ワントーンや2色の組み合わせ、鳥のデザインなどバリエーション豊かに展開され、コーディネートにアクセントを加えていた。
最後は、目が覚めるようなイエローやオレンジの色彩が、夢が終わり静かに訪れた明け方を彷彿させた。