ボリオリ(BOGLIOLI)は2016-17年秋冬コレクションをイタリア・ミラノで発表。新クリエイティブ・ディレクター、ダヴィデ・マレッロによる初コレクションは、1つの言葉「パティネ(使い込まれるて生まれる艶や光沢の意)」からスタートした。
ブラウンやネイビー、ボルドー、キャメルなど、落ち着きあるパレットを中心に展開。素材の持つ柔らかな温かみと色合いが見事に溶け合い、優しさを奏でるように調和している。スーツやアウターは、どれも人間の骨格を計算しつくしたジャストサイズで展開。まるで外科手術のように丁寧に仕立てられたアイテムたちは、もともとそこにあったかのように体に寄り添っている。
アウター類はもちろんのこと、ニットやシャツも丁寧な仕事が光る。スカーフやグローブなどのアクセサリーがワードローブの深みを演出、ベルトやバッグ、シューズなどのレザーアイテムは、テキスタイルの穏やかさとは対照的に、ハードな印象をコレクションにもたらしてくれる。
日本文化からの影響、ロシアのリアリズムの絵画、バルテュス・キャンバスのメランコリックな魔法……。これらのインスピレーションが、ダヴィデ・マレッロのファーストコレクションを彩る。ショーのところどころで見られる柄の生地は、“パティネ”が効いたアンティークのフローリングや壁画のような風合い。ファブリックの質感だけでなく、こういった柄が表現の厚みを増している。