ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2012年春夏コレクションを読み解くためのキーワードは「フォークロア」。日本と西洋の伝統文化をヨウジの感性がミックスした。
異なるアイテムや柄のレイヤードを楽しむアイテムが揃った今シーズン。洋風のジャケットやシャツに合わせたのは袴風のワイドパンツ。その大胆なスリットから下に重ねたパンツを見せて、オーバースカートのようにスタイリング。
日本の伝統の小紋柄である松葉散や亀甲柄で和の雰囲気を醸しつつ、テーラードジャケットの背中のアシンメトリーな切り替えはキュビズムから。ピカソの青の時代をイメージしたカラーパレットは、デリケートでアーティスティックなグラデーションが美しい。
幕末のサムライ風のモデル達は様々な国籍を持つが、その中に日本人はひとりもいないという演出に、西洋と日本の融合を目論んだヨウジのアイロニーが効いている。