アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、イギリス・ロンドンで発表された。
星屑や唇、咲き誇る花々が散りばめられたランジェリー・ドレスを中心に展開されたワードローブは、ハイパーフィミニティとも言えるほど、女性の持つ美しさを引き出すウェアで構成された。しかし女性美はそれ単体で放たれるだけでなく、ブランドの持つサヴィル・ロウの血、男性的なテーラードによってより引き立てられている。
ファーストルックは、肌が透けるほど薄いオーガンザやサテンシルクのドレスに、大ぶりなコートをレイヤードしたもの。懐中時計や蝶、などのモチーフが鮮明にプリントされたダークのアウターに、星のネックレスやフラワーのヘアアクセサリーを合わせ、コレクション全体のコンセプトを象徴するような存在感を放っていた。
裾が地面に擦るほどのマキシ丈が印象的なドレスは、多くがシンメトリーのデザイン。肌の色をも星の輝きに見せるが如く、シースルーを印象的に採用し、儚くも力強い煌めきをランウェイの上に瞬かさせていた。ボリューム感は、ルックによって様々、ボディラインが目視できるようなタイトなものもあれば、スカート部分が空気をはらんで広がり、歩の進みに合わせて靡くもの、ドレスと同じ丈・素材のカーディガンを羽織っているもの……。中には、もはやダウンコートを巻きつけたような大ぶりのアウターを合わせてグラマラスさを演出したコーディネートも見られる。
華奢さと力強さを兼ね備えたコレクションを足元から支えていたのは、アンクルストラップが印象的なハイヒールのサンダルだろう。ベルベットやレザーで装飾され、ピンクや真紅、アイボリーなどのムートンが使用され、刺繍された夜の動植物やシュールなモチーフを引き立てていた。