マックスマーラ(Max Mara)の206-17年秋冬ウィメンズコレクションは、キャメルにゴールドスパンコールを重ねた、コートオンコートのスタイルから始まった。つづく、セカンドルック以降も、アイコニックなキャメルのコートを採り入れている。しかし、素材はボア。よく見ると、ドロップドショルダーを推していた昨シーズンまでとは一変。華奢な肩幅に設定され、ナローなシルエットを描いている。
そんな安定と意外性を融合させた今シーズンは、ドイツの美術学校・バウハウスからインスピレーションを得ている。20年代の設立当初、男子に比べて女学生の数が多かったというこの学校では、女性のアグレッシブな活躍が目立った。授業の前にはエクササイズを行い、作業着を着て授業に臨む。
その姿勢を投影した要素が、ランウェイに転がっている。まず、運動をするアクティブな一面は、洗いをかけたアルパカで作られたロンパースに形を変えている。着こなしはエレガントで、ロングコートと網タイツ、ニットカーディガンにレースアップシューズといった、ゴージャスな響きのアイテムとマッチさせている。
また、学生たちが腕まくりをして、勉学に励む姿勢は、袖元で表現。どのアイテムもアーム部分は、シャーリングがかけられ、くしゅくしゅとしている。アートに建築に…、専攻項目の多いスクールの様子は、色と色のコンビネーションであったり、異素材の組み合わせであったり。差異のあるもの同士を融合させて、アーティスティックに描き出している。