マルニ(MARNI)は、ミラノ・ファッション・ウィーク5日目の2016年2月28日(日)に、2016-17年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
コレクションの中には、様々な要素が混在していて、ひとつにまとめるのは難しいのだが、特徴を一つ挙げるとすれば“ふくらみ”がキーワードである。コレクションのはじまりは、すっきりとしたパンツにシャツを合わせ、マントを羽織ったスタイル。腕周りが取って付けたような特異な形状をしているのだが、この“ふくらみ”がコレクションが進むにつれて、徐々に存在感を増していく。風船のようにどんどんと大きくなり、しまいには、円形のスパンコールをウロコのように並べて輝き出す。
後半にかけては、アームラインはすっきりとしてくるが、反して身幅に変化が起きる。割かしコンパクトだった前半に比べ、後ろに膨れ上がり丸みを帯びたエッグラインへと変幻する。
この一連の流れを見ると、服地と肌の隙間に流れる空気が、袖から胴体、そして背中へと流れているように感じられ、まるで生命が宿っているかのように思えてくる。
一方で、ユニークなシルエットにのせて、豊かなデザインも顔を出す。絵の具のようにいくつものカラーを融合させたもの、大ぶりなチェック、波を想起させる抽象的なもの。その表現はさまざまであるが、どれも色と色の組み合わせを楽しんでおり、マルニらしい。
基本スタイルは、パンツとトップスのコンビか、ショート丈ドレス。前身頃をラウンド状にカッティングしてアクセントを加えるか、バックスタイルに長いリボンを配している。注目の小物は、カラーレンズのサングラス、バケツ型のレザーバッグ、ポインテッドトゥパンプスと合体させたようなロングブーツなどがラインナップしている。