ファクトタム(FACTOTUM)の2012年春夏コレクションが、9月13日に代々木公園内の特設会場にて発表された。タイトルは「Sunday at the park」。 デザイナーの有働氏は、インスピレーション源を求めてアメリカ西海岸の街、ポートランド(Portland)を訪れた。そこで近所やキャンパス内の公園で、人々が同じスペースを「共有」しながらそれぞれの時間を楽しむ様子をコレクションに落とし込み、 70年代のニューヒッピースタイルをミックスさせながら、モダンなカジュアルウェアを提案した。
音楽と共に登場したカップルは、彼氏は彼女の、彼女は彼氏の洋服を着て、パッチワークのピクニックシートを手に仲良く登場。 チェックのシャツ、スウェットのパーカにデニムのオーバーオール、デニムの帽子と、リラックス感あふれるカジュアルスタイルが続く。 その中に、黒いラペルのジャケットやベストなど、時折テーラードアイテムの要素を取り入れた。ポートランドのシンボルであるバラもプリントやコサージュになって登場し、リラックスした雰囲気の中に、ちょっと背伸びしたドレッシーなスパイスを加えている。
ブルゾンに野球帽、そして麦藁帽子、ハンドステッチのパッチワークや優しいスモーキートーンのプリントががノスタルジックな雰囲気。 足元もブラウンのデッキシューズやショートブーツで爽やかに。シャツワンピースやセーラーカラーデニムのワンピースが、恋人達の休日をキュートに演出する。
今季は「再生」もキーワード。ランウェイに使用された木材は再利用され、布もシャツに生まれ変わる予定。 コレクションに登場したリメイクアイテムは限定アイテムとして発売されるとのこと。 皆で共有できるプレゼンテーションの形を求め、1年ぶりのランウェイショーの開催を決めたと語るデザイナーの有働氏は、満員の観客を前に晴れ晴れとした表情で拍手に答えていた。