メッセンジャーバッグがストリートで人気を集めるスイス・チューリッヒ発のブランドFREITAG(フライターグ)が、2011年10月7日(金)、アジア初、世界で9番目となるフラッグシップストア「FREITAG STORE TOKYO」を東京・銀座にオープンした。

1993年、フライターグ兄弟は当時彼らが住んでいたチューリッヒ市内の学生アパートの目の前にあったフリーウェイの分岐点を往来する色とりどりのトラックにインスパイアされ、使い古されたトラックタ―プ(幌)と自転車のインナーチューブ、廃車のシートベルトをリサイクルし、バイカーである彼ら自身のために雨風に強く便利なバッグを創りだしたのが出発点だ。

そんなフライターグが東京での店舗に選んだのは、長年「ボストン靴店」の店舗として使われてきた古い建物。トラフ建築設計事務所の手によって新しく生まれかえった店内は、ニ階の床に開いていた穴をそのまま残したり、街灯や黒板灯を照明に使っている。さらには、靴屋で使われていた古い床面をグリッド状に切り取り、トラックタープの直線的なラインがバッグの柄として浮かび上がる様子をイメージした内装だ。"more than bag"を追究するフライターグのこだわりが"more than shop"として完成し、「リサイクル」と「リコンテクスチュアライズ」というフライターグの二つ理念を目に見えるかたちで表現している。

店内には、全ラインの商品が揃う。バイクメッセンジャーに着想を得た「ファンダメンタルライン」と、ジャーナリストや小説家といった特権的に世の中に思想や言葉を発信してきた「もうひとつのmessenger」たちにインスパイアされ、女性も使いこなせるシックな仕上がりの「レファレンスライン」。さらに、iPhoneケースやマッキントッシュのラップトップケース、小銭入れなどの小物アイテムも豊富だ。修理カウンターも今後併設される予定。

スイスデザインアワードを受賞した"V-30 Freitag skid"というラックの中に、天井まで3mある壁一面にバッグがひとつひとつ納められている。リサイクルした素材の性質上、どれ一つ同じ柄、色、柔らかさ、そして重さが違う一点物ばかり。引き出しを一つ一つ開けながら、自分にぴったりのバッグに出会う予感に胸が高鳴る。

それにしても、銀座の大通りから少し奥に入ったこの場所を選んだ理由はなぜなのだろうか？「東日本大震災の後、中心ではない離れた場所からメッセージを発信したいと感じてきた。取り扱い店舗が数多くある中で、この直営店では後方からブランド認知を高める存在でありたい」とFREITAGプレス担当者が今回の東京店に込められた想いを語った。

(写真上：左からデザイナーのダニエル・マーカス、モニカ・バルサー、マーカス・フライターグ)

メディア向けのプレゼンテーションには、デザイナーのダニエル＆マーカス・フライターグとCEOのモニカ・バルサーも登場。「日本と良好的な関係を築く中で、日本人のディティールへの強いこだわりを感じてきました。フライターグの理念を理解し、共感されていること。そして私たち自身がインスパイアされるTOKYOの魅力を理由に出店を決めました。」日本への輸入が始まった15年前から卸店舗が増え、日本にフラッグシップストア出店する喜びを話してくれた。「それに…日本食が大好きだしね！」とダニエルが取材陣を笑わせるフランクなムードで、銀座店の門出を祝う夜が過ぎていった。

【ショップ情報】
FREITAG STORE TOKYO
住所：〒104-0061 東京都中央区銀座1-13-12
TEL：03-6228-6243
オープン時間：
月曜-金曜：11:00-21:00
土曜・日曜：10:00-20:00