フライターグは、1993年、スイスに創立したバッグを中心としたブランド。マーカス・フライターグとダニエル・フライターグが創立。
フライターグはスイスのバッグブランド。1993年、スイスのチューリッヒにマーカス・フライターグ(Markus Freitag)とダニエル・フライターグ(Daniel Freitag)兄弟が創立。ブランドの設立前、フライターグは商業デザイン(空間デザイン)を、ダニエルはグラフィックデザインを手がけていた。
フライターグのバッグには、素材として、輸送トラックの幌(ほろ)などが使用されている。幌(ほろ)とは風雨や砂埃などを防ぐために車両などに取り付ける覆いで、耐久性、撥水性に優れ、トラック、オープンカー、鉄道車両、乳母車などに用いられる。
トラックによる輸送の多いヨーロッパでは、ごく一般的なもの。フライターグ兄弟は毎日通過するトラックの騒音に迷惑していたが、見ているうちにトラックの幌(ほろ)に興味を持ち出したという。
消費を重ねるサイクルに疑問を持っていたフライダーク兄弟は、消費の連鎖からの脱却を考え、幌(ほろ)を使用してバッグ作った。奇しくも、90年代前半はマルタン・マルジェラ(メゾン マルジェラ)なども古着、リサイクルなどの打ち出しをしており、時代を考えると必然だったのかもしれない(詳しくはグランジ・ムーブメント参照)
チューリヒにある7500㎡のフライターグの工場では、創業時の18年前と変わらぬ方法で使用済みのトラックの幌を再利用して製品が製造されている。「Quality」「Recycle」「Zurich」の三種の神器を大切にし、縫製以外のすべての工程を、チューリヒ北部のエルコン・エリアで一つ屋根の下に集約し、効率化を図っている。
トラックの幌には寿命があり、5~8年に1回は取り替える必要がある。使用済みの幌から穴、ダメージがひどい部分や付属のストラップが取り除かれ、専用洗濯機で「洗い過ぎない程度」に洗浄される。カッティングは今もカッターで手作業で行われ、その後、ターブ、インナーチューブ、シートベルト、ラベル等が一緒に縫合されて世界にひとつずつしか存在しないフライターグのバッグが完成する。
2011年12月現在、従業員数は130名、年間30万個を製造している。リサイクル素材の使用量は年間390トン(トラック95㎞の列に相当)のトラックの幌、36000本の自転車の使用済みインナーチューブ、80000本の廃車のシートベルト。正規取扱い店はチューリッヒ、ダボス、ベルリン、ハンブルグ、ケルン、ウィーン、ニューヨーク、東京の9つのフラッグシップ・ストアと、世界400以上のショップ、チューリッヒを拠点とするオンラインショップ。
フライダークの製品はリサイクルだけではなくロゴからパッケージまで独創的なアイデアに溢れており、その他、自転車のインナーチューブ、車のシートベルトなどをリサイクルして、バッグ以外にも、財布、カードケースなどさまざまなアイテムを作っている。
リサイクル品だけに、素材が傷や汚れの度合いにより異なり、それがバッグにも反映されるため、一品一品が異なるもので、ごく自然とファッションアイテムとして日常に溶け込むところが人気。
1997年のスイスのデザイン賞「Swiss Design Award」の他多数の受賞歴がある。