エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)の2017年春夏コレクションが、ミラノ・ファッション・ウィークで発表された。
「ジャージ:軽くて伸縮性があり、シワにならない。」私たちの身近な存在である、このファブリックが今シーズンの主役である。エミリオ・プッチとジャージの繋がりは古く、エミリオ自身が生み出したのでは…という一説もあるほど。あのマリリン・モンローが好んで着用していたのも、エミリオ・プッチのジャージドレスだ。
ワントーンのIラインドレスとロンパースで幕を開けたショー。一見シフォンのように見えるものも、チュールを重ねたように見えるものも、全てジャージで出来ている。ソックスを合わせたようなシューズもジャージ製だ。
細かく編み込まれた生地は、しっとりとしていて肌に寄り添うように柔らかい。薄手で細かく編まれたものは、肌色を映し出すほど透明感を持ち、レイヤードスタイルに最適だ。ランウェイでは、エレガントなドレスルックに、ビーチを想起させるスイムウェアやロンパース、ブルマが合わせられている。
また、クリエイティブ・ディレクターのマッシモ・ジョルジェッティの興味は、アーカイブプリントにまで及んだ。ショーが進むにつれて登場する模様は、全て60年代のアーカイブへのオマージュだ。かつて時代の女神たちを彩ってきたであろう「Bersaglio」と「Labirinto」の2つのパターンは、イエローやオレンジ、パープルといったエネルギッシュな色合いで現代に蘇っている。
一つの色柄で統一されてコーディネートされているため、気付きにくいが、一つひとつのピースに個性をもたらすように、加工や装飾でアレンジが加えられている。ノット(結び目)で左右不均衡にさせたり、ツヤを持たせたコーティングをしたり、スパンコールを並べたりして。
また、マッシモが連続してアナウンスしていてビックサイズは、少し控えめな形へと変化。シャツ型のたっぷりとした身幅のコートもウエストマークして華奢にみせ、手首を覆うほどのロングスリーブもきゅきゅっと手元でまとめて身を隠している。プレコレクションから続き、顔を覆うほどのハットが登場しているのも興味深い。