ニール バレット(Neil Barrett)の2017年春夏コレクションが発表された。
コレクションを一言で表すならば「レトロとモダンをめぐる対話」であろう。ルックは一見、70年代アメリカの西海岸を思わせる、レトロなムードを醸し出す。しかし良く見れば、ディテールや素材、シルエットに現代らしい計算されたミニマリズムを差し込み、時にはフォーマルささえ感じさせ、ヴィンテージを現代にソフィスティケイトしている。
コレクションを象徴するのは、使い込まれたような鈍い光沢を放つエイジドレザーだ。コニャックやタンの褐色に、斜線のようなモチーフを施したジャケットやスカートは、ウエスタンスタイルを彷彿させる。一方で、シルエットはいたってミニマム。黒のレザーパンツは、スキニーのような細身に。ぴったりとフィットする台形のスカートは、すっきりした裾とドロップダウンした肩がスタイリッシュなブラウスと合わせた。
さらに、アメリカンカジュアルをベースに、フォーマルさを掛け合わせたアイテムも目を引いた。コニャックのパンツは、中央部分に折り目を配し、スーツなトラウザーのように立体的フォルムに。レザーパンツと、タンクトップのハードなコーディネートには、テーラリングが美しいジャケットを合わせた。
また、レトロなボーダーモチーフも多く登場。幾何学的に表現された黒や赤、白のボーダーは、フィット感のあるトップスやワンピースにプリントされた。足元には、機能的なランニングシューズと合せ、よりモダンな印象を強めている。