タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2017年春夏コレクションが、2016年10月17日(月)、グランド ハイアット 東京で発表。ブランド創設25周年となる2016年、四半世紀もの歴史を持つ日本のビッグメゾンが、一体どんなショーを披露するのか、期待が高まった。
テキスタイルの個性と真正面から向き合い、その特性やキャラクターを洋服に落とし込むことを得意とするブランドらしく、表情豊かな生地を生かしたワードローブ。ファーストルックには、淡く溶け合うようにホワイトとブルーが滲んだ柄の布を採用したドレスを抜擢した。足元には、その朧げな魅力と相対するように、シルバーやフェイクレザーを使ったハードな印象のピンヒールをぶつける。
全体を通して漂う空気感は、肩の力が抜けたような余裕だ。何層にも折り重なったようなオフショルダーのワンピースは、適度にふわりとした柔らかさを携え気品を演出。チェーンのプリントを施したアイテムも、幅の広い編み地ニットとレイヤードすれば、フェミニンな温かみが生まれるのだ。
しかしながらただ単にリラクシングなムードがあるわけではない。時折ランウェイを彩るバッグやアクセサリー類は、八角形や六角形のシルエットを採用し、無機質な要素と、直線的なエッセンスをプラス。スパイスのように加えられるこれらの要素があってこそ、ワードローブに満ち溢れるメゾンの魅力が引き立てられているのだろう。
テキスタイル自体の魅力と、考え抜かれたパターンの魅力が、気品と余裕を醸し出しているのはもちろんだが、25周年を迎えた自信とものづくりへの熱意がコレクションを下支えしている。斎藤工ディレクションで、発表されたドキュメンタリーと合わせ、タエアシダの魅力について再確認するシーズンとなった。