ウミット ベナン(Umit Benan)の2017年春夏コレクションが、2016年10月18日(火)に東京・渋谷ヒカリエで発表された。
これまで、ミラノやパリでコレクションを発表してきたウミット ベナンが、17年春夏コレクション発表の舞台に選んだのは“東京”。ベナン自身が過去5年間の間に40回も訪日していると語るように、日本・東京に対しては深い思い入れがあるという。そんなブランドのショーは、大音量で流れる“トウキョウ”というワードと共に始まった。
ランウェイには乾いた砂が敷き詰められ、そこに何本かのサボテンと枯れた枝木が生えている。今季のテーマは、“A Mexican Guy Living in Texas(テキサスに住むメキシコの男)”。メキシコというワードからよく連想されるようなカウボーイではなく、ウエスタンなカルチャーに影響された“西洋かぶれのメキシコ人”をイメージしたワードローブが展開された。
ファーストルックは、はだけた胸をあらわに白いジャケットを羽織った野性的なルック。ボトムスには、ストライプ模様のリラクシングなパンツを合わせた。この2アイテムの組み合わせは他のいくつかのルックにも現れたが、荒れた土地を闊歩するメキシコ人のルードさと、西洋的なエレガンスがミックスされたスタイルを象徴している。
カラーでも、デザイナーは自由な感性を発揮した。メキシコを彷彿とさせるライトブルーやイエロー、ピンク。そこに、太陽のような赤やデニムの鮮やかなブルーを重ねた。洗練されたシルエットのジャケットに、エスニックカラーや激しい色を合わせることで、西洋文化をまた違った視点から見せる試みがなされているのだ。