アトウ(ato)の2017年春夏コレクションは、「outsider(不良性)」がテーマ。主人から奉公人へ与える着物「お仕着せ」のような受け身な姿勢を好まず、あらゆるものを配したミニマルな美しさを自分自身で選択し、個性を作り上げることができる男性像を描いている。
お仕着せという言葉のイメージからか、少し古風な男性像を思い浮かべる。それもあってか、アウターやトップス、パンツに和のイメージが散見。居間着のような外套や、太いパンツ、斜めに重ねるようにして羽織るコートなど、日本らしいエッセンスが見られる。
シルエットとしては、リラックスめなものが多い。それは、服を着る人の個性が洋服の個性に勝りつつも、決して個人の個性が強調されすぎないバランスをイメージしているからだ。
素材は、ボリューム感のあるシルエットを表現するべく、平織りのウールやコットン、麻混を採用。それを3ピースに仕立てて、レイヤードすることで、スタイリングを自在に変化させ楽しめるよう考慮されている。