2011年10月25日、JIL SANDER(ジル・サンダー)2012年春夏コレクションのファッションショーが国立新美術館で開催された。
メンズコレクションでは、それぞれの時代を象徴するスタイルをコラージュさせ、モダンでスタイリッシュなスタイルを提案した。 削ぎ落としたデザインが印象的なテーラリングアイテムは、構築的なジャケットにハイウェストのワイドパンツやタック・ショーツが新鮮な印象。立体的な編み目のニットや、イールスキンや透明ビニールなどユニークな素材使い、そしてカラフルなボディバッグが、ブラックに近いダークなカラーパレットの上でアーティスティックな輝きを放っている。
純白のドレスでスタートしたウィメンズコレクションのテーマは「ビューティー」。ジル・サンダーのシグニチャーである、ピュアな輝きと凛とした強さを兼ね備えた女性を描き出した。白地にネイビーとネオンピンクで鮮やかに描かれたペイズリー柄、ボディラインを強調するテーラードジャケットやペンシルスカート等が、スティーブン・ジョーンズによるコンセプチュアルなハットと共に、クリーンでモダンなジル・サンダーの世界感を見事に表現している。
ミラノでのショーでも話題になったパブロ・ピカソの作品を用いたアイテムは、ミッドセンチュリーのモダニズムの雰囲気をそのまま現代のスタイルとして甦らせた。ラストで登場したコットンのウェディングドレスは、ベーシックなシャツと華やかなボリュームのスカートの組み合わせが、ジル・サンダーのポジティブなスピリットを象徴している。それはフィナーレでささやき続けるゲンズブールのように、クリエイティビティと愛にあふれた、研ぎ澄まされたモダニズムだ。
ジル・サンダーは今年12月に公開となるティルダ・スウィントン主演の映画「ミラノ、愛に生きる」にも衣装を提供し、この作品は2011年度アカデミー賞衣装部門にノミネートされている。ショー前にはイタリア文化会館にてプレミア上映会が開催され、舞台挨拶ではジル・サンダーの衣装に身を包んだスウィントンがジル・サンダーの魅力を熱く語った。
今回は日本でのスペシャルショーとあって、日本の各界の著名人やティルダ・スウィントンも駆けつけて、豪華なショーとなった。
「ミラノ、愛に生きる」の舞台挨拶の様子はこちらでチェック→ジル・サンダーを身に纏ったティルダ・スウィントンがミラノを舞台に熱演