ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)の2012年春夏コレクションが発表された。テーマは「MINIMAL ART ROCK 1.5」。ブランドの根底に流れる3つのキーワードをコンセプトとした前シーズン(2011-12年秋冬コレクション)の続編で、前衛音楽家ジョン・ケージにインスパイアされたコレクションだ。スモークの広がりと共にジョン・ケージ(John Cage)のFour6が嵐のように響き渡り、ショーはスタートした。
カラーパレットはアイスブルー、ブルー、ネイビーグリーン、ブルーグレイなどブルーのバリエーションにサンドベージュやカーキ等で深みのあるシックな世界を作り出した。 フロントはタイトだが、バックスタイルにかけてボリュームを持たせたシャツブルゾン、ステンカラーコートは、シンプルな中にそこはかとなく個性を偲ばせる。首にすいつくような衿の形や、自然なコーンケープドショルダー、エッジの効いたタックやダーツなど、立体的でシャープでミニマルなディテールが印象的なスタイルを完成させた。M-65、Gジャン、ウエスタンシャツはフロントを開けても締めても決まる完璧なデザイン。
極細のラインで描かれたクモの巣柄や、そこにギターのアイコンを潜ませたプリント、10種類以上のギターを細小のジャカード織りで表現した生地、そして幾何学模様を載せたギターをイメージしたランダムパターンのニット等、LADのセンスが光る柄モノアイテムを組み合わせることでさらに上級のスタイルに仕上がった。
素材への拘りも今季さらに深まり、人気のデニムシリーズは薄手の生地にブリーチ加工やシェービング加工を施して、70年代のワークウェアを現代的に再構築。定番のハイクオリティTシャツ素材”SUCCESS ROCKER”と同加工を施し、タフで肌触りが良く、ロープライスな新オリジナルTシャツ素材”HEAVY ROCKER”シリーズも登場。M-65やスーツ等様々なアイテムには高い撥水性と防汚性を持たせるNANO加工を施した。
「未完成の美」を求め、自由な発想の偶然性と必然的な機能性をアイテムに投影し、スタンダードウェアの新しい価値観を提案したコレクションだ。