ザ・ボウスノッブ(The BeauSnob)の2012年春夏コレクション。今回のテーマである「Ticket to Ryde」の世界観を、愛する女性を失った悲しみから立ち上がり、再び歩き出そうとする青年の傷心旅行を描いたショートムービーで表現した。

物語のあらすじは、ある日友人からワイト島行きのフェリー切符を渡される青年の姿を映し出すところから始まる。 イングランドの島・ワイト島は、美しい自然が広がる、避暑地としても愛される昔ながらのイギリスの姿を残した島。本土のポーツマス港からフェリーで15分、島の玄関であるライド港へ到着する。遠いようで近い、まるで少しの時間をタイムスリップしたような懐かしい街並みが広がっている。

コレクションを彩ったのは、薄紫やベージュ、紺、グレーなど、曇りがちなイギリスの空のようにアンニュイなカラーパレット。また、クラシックなスーツスタイルや、腰部分に膨らみをもたせ裾をタイトに絞ったショートパンツなど、シンプルなデザインの中にディティールへのこだわりを感じさせるルックが登場した。後半に登場するショートパンツに施された蘭の柄は、ワイト島の州花がモチーフ。さりげなくルーツを活かした気配りが、ノスタルジックな気分にさせてくれる。