ヴィクター&ロルフ (VIKTOR & ROLF)が2017年春夏オートクチュールコレクションを発表。過去のコレクションで使用した素材をクリエイションのベースとした昨シーズンの2016年秋冬オートクチュールコレクションをさらに進化させたワードローブを提示した。
解体と再構築による服作りの成果がはっきりと表れた今季のコレクション。様々な年代のヴィンテージカクテルドレスやイヴニングウェアを解体し、切り取ったピースをコラージュすることで、元の文脈から逸脱したシュールレアルなフォームを生み出した。
チュールのティアードスカートは、ウエストの周囲半分で途切れたり、ボディの上を斜めに走ったり、さらには襟を飾るカラーのようになっている。また、薄さも柄も色も異なる様々な素材が、大きさも形もバラバラに切り取られ、あらゆる場所で繋ぎ合わされている。
これらの継ぎはぎに用いられたのは、日本の伝統的な修復技法である“金継ぎ”の意匠だ。この金のラインは、割れや欠けといった不完全に宿る美を意識させ、同時にオートクチュールならではの豪華さも演出した。
ラスト5体には、とりわけゴージャスなプリンセスドレスが登場した。いずれも継ぎはぎされた別布とゴールドのラインが、ペールカラーのドレスから浮き上がっているように見える。シュールレアルな手順によって生まれた美しい違和感が、服をよりアーティスティックな作品へと昇華しているようだ。
なお、今シーズンは足元にクリスチャン ルブタンの特注シューズが合わせられている。