今までパリで発表されていたアウラアイラのコレクションラインAULA(アウラ)は、4シーズン目を迎えついに東京で本格デビューを果たした。2012年春夏コレクションは「BUTTERFLY」がコンセプト。純粋な愛と自由の象徴であり、生まれ変わること、すなわち再生のメタファーである蝶に復興と平和の願いを込めた。
フェミニンなラインを強調したシルエットやマキシ丈スカートやパンタロン風ワイドパンツで縦長ラインを強調したスタイリングに目を奪われる。素材は、デリケートなレースやシフォンに、強さを表すレザーが組み合わされ、ソフトとハードという相反するイメージを共存させることで生と死と復活を表現した。それらの素材が動く度に織りなすシルエットの変化は自由に飛び回る蝶の様。後姿に蝶の羽ばたきを連想させる立体的で繊細なドレーピングとスリットが施されたドレスやブラウスは優美で儚げだ。
繊細な色彩の陰影が美しい蝶のオリジナルプリントも印象的。カラーは、柔らかい素材に寄り添うような繊細なペールトーンに、ポイント として挿し込まれた黒が小気味よいアクセントとなっている。足元を彩るオープントゥのショートブーツはベルト使いや、トゥ部分のトング風デザインが新鮮。少女でも大人でもないエイジレスな女性達のための、繊細な春風がそよぐようなコレクションだ。