ヴァレンティノ(VALENTINO)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク6日目の2017年3月5日(日)に発表された。
ピエールパオロ・ピッチョーリによる2017-18年秋冬シーズンは、繋がることさえ想像できない、対極なものを結びつけることを到着点とした。相反するものの衝突。その答えを導き出すための一つの道しるべとなったのは、80年代にムーブメントを起こしたデザイナー集団・メンフィスの存在だ。
ブラック・ブラウンがスタンダードであった当時、インテリア業界に与えた一つの衝撃。鮮やかな色彩、有機的な形状、キッチュなモチーフを並べ、インテリアそのものの楽しみを説いたメンフィスの作品は色鮮やかで、色彩のパワーに引き寄せられるようにあらゆるものが一つにまとまっている今季のヴァレンティノに通じる。
ベースとなるのはロングなドレスまたはコートで、イエローやライトブルー、ピンクなど明るい色たちが服地で顔を合わせている。フリルや刺繍といったフェミニンな装飾に混じって現れる、幾何学的なパッチワーク。手書き風の花々やグッド・ピースなどの形をとった手のモチーフ、数字ロゴもプリントまたはパッチワークされている。
カラーパレットとモチーフが作り出したポップな世界をより大きく羽ばたかせるのは、シルエットの遊び。ウエストラインの切り替えや細かく配したプリーツ。ショルダーは丸みを持たせ、胸元は大胆にVの字でカットした。スリットは深く大きく。パネル状になった一つ一つのテキスタイルは、まるでそれぞれに意志を持ったように動き出し、コレクション全体をリズミカルに魅せる。
アクセサリーは丸ビーズのネックレスで統一して。足元はブーツまたはフラットサンダルで軽さと躍動感を投じた。