リック・オウエンス(Rick Owens)が、2018年春夏メンズコレクションを2017年6月22日(木)に発表した。
会場は建設真っ最中の工事現場。大掛かりな足場が組み立てられていて、そこが今回のランウェイだ。建設的な部分は、リック・オウエンスのアーキテクチャな洋服と通ずる部分がある。
建設現場を洋服に落とし込む中、例えば、製作途中の風景はジャケットから垣間見える。肩パットや芯地ははみ出しているし、素材は足場の組み立てがスケルトンを想わせることからシースルーを採用している。パンツには、シルクナイロンなどを特殊な風合いにして、透ける素材と言えど立体的なフォルムになるよう仕上げている。
これらにはじまり、素材使いが豊富すぎる今季。建築現場で見られるプラスチックメッシュは、ベストのアクセントとして加えた。また、実際にミイラを巻く布として使われていたラミーというテキスタイルは、ジャケットとして使用している。それから、秀逸なのが水溶性コーティングを施したディープグリーンやホワイトのデニム生地。ストレッチが効いているので履き心地もよく、しかし、コーティングが伸びることで割れることはない、リック・オウエンスならではの革新的テキスタイルだ。
シルエットは、クロップドトップスにハイウエストワイドのボトムスが基本。アウターは曲線を無視したボックス型だ。今回は、そのスタイルに、ボリュームのあるバッグを沿わせた。メッセンジャーとしてもウエストと足に纏わせても使えるこのバッグだけが、独特の奇形を感じさせる要素。公で着る服は、究極のこだわりを超えてシンプルに見せるのがリック・オウエンス式らしい。