ポール & ジョー(PAUL & JOE)が、パリファッションウィークで2012-13年秋冬メンズコレクションを発表した。今シーズンは「Homage to the heroes of the Golden Age」をテーマに、フランス映画黄金期に活躍した『霧の波止場(Quai des Brumes)』のジャン・ギャバンや、『夜の門(Les Portes de la Nui)』のイヴ・モンタンなどの時代のアイコニックな紳士像をインスピレーションソースとしている。
会場は伝説のフォトスタジオ『スタジオ アルクールパリ』で行われた。1934年に設立されて以来、数多くの銀幕スター達がポートレート撮影を行なった場所だ。
コレクションのキーアイテムはオーバーコートだ。シャープなショルダーライン、エポレットなどのアクセ ント、ウエストをベルトできつく絞ったロング丈の上質なウールコートは、力強く貫禄のあるシルエットを作り出している。
ボディにぴったりフィットする細身のテイラードのスリーピーススーツも、特徴的なスタイリングの一つで、ジレやニットタンクトップを合わせることによって異なる雰囲気を表現した。ベルべット、コーデュロイ、ライトウェイトウールなど上質な素材のバリエーションは、クラシック、カジュアルなどの様々なスタイルを演出している。
カシミアやメリノウールのニット類は、ショールカラーのカーディガンをはじめ、明るい色と落ち着いたオータムカラーがそれぞれの色が引き立て合いながら調和している。
ポール & ジョーらしいクラシックなイメージは、スタジオ アルクールならではのポートレートの魔法にかけられたような演出によって、忘れがたいコレクションとなった。