デレク ラム(DEREK LAM)の2012-13年秋冬コレクションのテーマは、「THE LIBRARY(図書館)」。世界中にある歴史的な図書館のイメージからインスピレーションを得た。読書や知性という言葉が、コンピュータの画面以外の場所からきちんとした様相で知識を得ていた時代へのオマージュでもある。
カラーパレットはブラックやキャメルなどのニュートラルカラーを中心に、ダークレッドやツヤ感のあるゴールドがアクセントに。素材は、シルクシャンタンやレザー、ウール、ポリエステル。また、金属糸を施したジャカードシルクや透かし彫りのような刺繍、ペルシャ風の花柄が数多く登場。上品さの中にオリエンタルなスパイスを加えていた。
ペンシルスカートやシャツ風ワンピースなど、60年代を思わせるシルエットがクラシカルな印象。一方で、ピーコートといった定番アイテムはイメージを一新させ、ゆったりとした背中、大きなボタン、強調されたショルダーなど、誇張したプロポーションが絶妙なバランスを生み出している。
またレザーのソフト・ドレスは、シャープな仕立てと対照的に、ランジェリーがインスピレーション源。このドレスに施された布地の端をレースのようにかがった装飾や、トップスと異なる色柄の襟、華美過ぎないファー使いなど、首元のさりげないポイントが女性の知性を感じさせていた。