2012年3月3日、ロエベ(LOEWE)が2012-13年秋冬コレクションをパリファッションウィークで発表した。ショーの舞台はパリ第5大学(ルネ・デカルト)内の、偉大な医学者の胸像が並ぶ真っ暗な回廊。ドラマティックな音楽と共にスポットライトが次々とつき始め、幕を開けた。
カラーパレットは黒がメイン。ナチュラルな光沢のレザーは、その表面のしわまで計算されつくしたような美しさを誇る。レザーにウールやファーなど異素材を組み合わせた、構築的なシルエットのジャケットを中心に、キャップやベルトで象徴されるスポーティーでマニッシュなデザインが印象に残った。
装飾はバロックモチーフやメタルのボタンで格調高く。サーキュラースカートやキラキラ輝くクリスタル、差し色のダスティーピンク、ラインストーンのリボンベルトでフェミニンなスパイスもプラスされた。バッグはバリエーション豊富に展開され、大き目のバッグもクラッチ風に持つのがポイント。
最後はトレンチやピーコートのデザインを、ボタンなど細部に至るまでレザーの表面に浮き上がらせたトロンプルイユのアイテムが登場。166年のロエベの歴史が誇るクラフツマンシップにクリエイティブディレクターのスチュアート・ヴィヴァースのモダンな感性が見事に融合した美しいコレクションだ。