バリー(Bally)の2012-13年秋冬コレクションがミラノにて発表された。1970年代に外交官の父に連れられてバリーの店舗に来店した若い女性からインスピレーションを受け、厳格な規律を伴いながらも煌びやかな世界で生きる女性の生活を切り取ったようなコレクションとなっている。
都会的で洗練されたシャープなシルエットが美しく、黒、キャメル、赤、パープルのレザーの深みのある色が、ラグジュアリー感とエレガンスさを押し出している。小物にもこだわりを見せ、ブランドのアイコニックなハンドメイドシューズ「スクリーブ」の美しく優雅なフォルムを映し出したアクセサリーたちにも注目だ。
レザーのネックラインのジャージードレスは、構築的なシルエットを和らげるためにボリュームをもたせたスカートによってロマンチックでソフトな印象に。ラグジュアリーなガード・コートには、光沢のあるミンクと柔らかなシーリングが施されている。力強い赤のレザーで統一されたコーディネートは、ひとつひとつのアイテムがシンプルながらもユニークなデザインに、素晴らしい職人技術が垣間見える。さらに黒い衿元のファーや小ぶりなバッグで、全体が上品な印象に。また、シンプルなデザインのルックの中に太いヒールのブーティやパンプス、オーバーニーブーツといったボリュームのあるシューズが、スパイスを効かせている。
ブランドを象徴するレザーの美しさが際立ったバリーのコレクション。エレガントでありながらも機能的な服を身にまとい世界中を飛び回る女性を表現した今回も、クラフツマンシップを大切にしてきたバリーの伝統の重みとモダニティの見事な融合が感じられる。