2012年3月19日、カミシマチナミ(KAMISHIMA CHINAMI)が、2012-13年秋冬コレクションを発表した。テーマは「冬の森」。静かな白い冬に咲き誇る鮮やかな花びら、力強い青々とした緑。そんな冬から春へと移り変わる季節の光景に寄り添うような表現が、自然と人間の共存という理想を思い起こさせる。
カラーパレットは、雪のようなホワイトをはじめ、オフホワイト、バーガンディー、グレー、ブラック、オレンジ、ネイビー。そこにアクセントとして色鮮やかな果実を感じさせる赤を用いた。素材には、ファーや、日本産のシルク、ウール、コットンをメインに使用し日本のものづくりへのクオリティーへの敬意を払うと同時に、着心地の良さも実現している。
素材の良さを強調するためシンプルな色の組み合わせを用い、プリントで華やかさをプラスした。オールインワンや、ワンピース、トップスのプリントには、冬の力強さを映し出すような冬の花として有名なシクラメンをあしらった。コートの裾や袖にはファーをあしらいインパクトのある暖かなボリュームを出している。そこに、ロンググローブをコーディネートすることで、ラグジュアリーなスタイルを演出している。
「このコレクションを見たことで、もっと自然と人間が寄り添っていた、昔の心を呼び起こしてくれたら嬉しい」とデザイナーのカミシマチナミはショー後に語った。冬の静けさの中に存在する春へ向けた生命の力強さを感じさせるコレクションとなった。