MSGM(エムエスジーエム)の2018年秋冬コレクションが、2018年1月14日(日)にイタリア・ミラノで発表された。ミラノ大学を会場に披露した今季は、その場所に相応しく、学生っぽいルックを提案している。
架空の大学に集う学生たちは、制服らしきものを身にまとう。ネクタイを締めたシャツとVネックニットには、センタープレスのスラックス。見覚えのあるそれらの組み合わせが、制服を想起させる。
こうした制服っぽいアイテムには、ブラックウォッチといったオーソドックスなテキスタイルを当てはめているだけではない。本来あるはずのないテキスタイルの遊びによってその空想を覆している。シルキーなシャツやコーデュロイが混在し、さらにはチルデンニットはノルディック柄で、ナイロンパーカーは地図柄。柄同士のミックスアンドマッチさえ楽しんでいる。
正装をベースとしたコーディネート以外にも、彼らの日常を垣間見る、若々しい装いも混合している。オーバーサイズのレザーボンバージャケットに、リラクシングなトラックパンツ。トライバル模様のボアコートとクラシカルチェックのトラウザーズ、鮮やかなカラーのセットアップワークウェア。ラフなスタイルで日常を楽しむ学生そのものを、MSGMのフィルターを通してラグジュアリーに表現している。
ただ、決まりきった組み合わせだけでは面白くないから、少しだけ捻りを効かせたディテールやコーディネートが面白い。例えば、ベージュのワークジャケットにはスプレーで落書きしたみたいな文字が描かれているし、それから、ピンストライプのクラシカルなスーツには、イーストパック(EASTPAK)とのコラボレーションによる、大きなバックパックをあわせた。ハイブリッドやドッキングの手法を得意とするブランドをフィールドに、若者たちの自由な発想が冴えわたっている。