ケンゾー(KENZO)の2018年秋冬コレクションが、2018年1月22日(月)に発表された。今季も、メンズ・ウィメンズの合同ショーで、パリ・ファッション・ウィークの最後を飾る。
会場では、デザイナーのウンベルトが、お姉さんの結婚式の前の日に髪を染めて怒られたという実体験を劇団員たちが再現し、それをリアルタイムで大きなスクリーンに映し出した。まるでひとつの映画館のような空間。映画は見た瞬間だけではなくて、私たちの心に大きく残る。これまで人々に大きな影響を与えてきた映画のその魅力を、ワードローブにも投影したのだ。テーマは「My Sister's Wedding」だ。
ウエストラインを強調したサファリジャケット、大胆なプリントのタイトスカート、パンクなレザーのボディコンシャスなドレス……。スタイリングも同様。例えば、ボックス型のクラシカルなモヘアコートはトラックスーツと合わせた。ファーストルックから続けて登場するフェミニンとマスキュリンが交差するルックに、ケンゾーの多彩なものを積極的にとり入れるその姿勢を感じる。
中盤になるファブリックが刺激を帯びる。花柄は蛍光カラーが織り交ぜられ、エキセントリックなスタイルへ。一方で、メンズでも採用されていたシルクサテンの桜のジャカードは、ローゲージのざっくりとしたニットに組みあわせられ、ペールカラーも相まってフェミニンな印象で登場。ナイトパティーを想わせるアシンメトリーなドレス、シースルーのアンサンブルなどセンシュアルなエッセンスもスタイリングの中に微量に交えていく。
最後はグリッターに満たされる。この煌びやかさは、ランウェイというひとつの映画のフィナーレを飾るかのよう。スパンコールがミラーボールのように輝き、ケンゾーのランウェイ、そしてパリコレクションを締めくくった。今シーズンは彼の思い出も交えて、皆の思い出になるワードローブだと余韻を残して。