ミュベール(MUVEIL)の2018年プレフォールコレクションが発表された。「ディアレスト ロミー(DEAREST ROMY)」をテーマにした今季は、女優ロミー・シュナイダーへのオマージュとして誕生。
ミューズとなったロミー・シュナイダーは、1960~1970年代に活躍した女優。天性の美貌と気品ある美しさから当時人々の心を鷲掴みにし、彼女を愛するファンの中には、ココ・シャネルの名もあったといわれるほど。ミュベールは、ロミーの出演作『ボッカチオ'70』をキーワードに、スクリーンいっぱいに表現された彼女の魅力と、作品の舞台となったクラシカルな時代背景を遊び心を交えて表現する。
劇中に取り入れられた黒電話や煙管といった小物たちは、ミュベールが得意とする刺繍を用いニットの上で花開く。今季は、キラキラと輝くビジューを使って、火が灯りじわっと赤く染まった煙管の先もドラマチックに描かれている。また、透け感のあるプリントドレスやスカートにも煙管のモチーフが散りばめられた。こちらは天に向かってゆらゆらと立ち上る煙の姿までも優雅に切り取られている。
シーズンカラーは、パープルとロイヤルブルー。女性を艶やかにみせる2色のキーカラーは、プリーツ地を差し込んだ膝丈スカート、リラクシングなワイドパンツ、ラフなカーディガンに起用。さらに、今季こだわり抜いて仕上げたツイードトップス&スカートにも差し込まれた。ツイード地は太さの異なる糸とラメ糸を交えて織り込まれており、うっとりと発色するロイヤルブルーと、同じくらい大きな存在感を放っている。
シーズンアイコンとなるのは、『ボッカチオ'70』にも登場するネコだ。写真家の榊原俊寿の作品とコラボレーションして、プリントTシャツを完成させた。ブラウスの上にネコTシャツを重ね、さらに上からレオパード柄のカーディガンを重ねたルック。ブラウスのケープ状の襟がふわりと広がる、個性あふれるスタイリングも注目である。