マルニ(MARNI)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月25日(日)に発表された。1月のメンズ2018年秋冬コレクションからの延長線だというショー会場のデザインは斬新。毛布や布団、ポリバケツ、段ボールなど日用品などが、来場者の椅子となり、それらをうねるように配置することでくねくねと曲がったオリジナルのランウェイを製作している。
コレクションノートに記された「重なり、切断し、つまむ。ボタンで留めるのではなく、包んで纏う」というワード。確かに膝丈スカートは左右を縫い合わせるのではなく、端を軽く留めて巻き付けたような形をしているし、さらに端をつまんでスカートに縫い合わせたミドル丈スカートもある。
フランチェスコ・リッソによる3シーズン目のマルニは、基礎、基本といった意味をもたせるため「エレメンタリー」をテーマに捧げた。このキーワードは素材の選び方、カラーリング、洋服の作り方など様々な場面で用いられている。
また“やりかけ”のようなアンフィニッシュのスタイルも多く起用されている。コートやスカートにはたらりと糸がのびたステッチが施され、ジャケットの袖口は一度縫製したものをほどいたような切りっぱなしのテキスタイルが顔を出している。シューズのヒールに巻き付けたレザーパーツもホッチキスでとめたかのような簡易的なもので、製作途中のような独自のもろさをはらんでいる。
ショーの中盤から登場したコートや、女性らしいシルエットのドレスは、2つのスタイルを融合させたもの。構築と再構築を繰り返して、ウールとレザー、異なるプリント同士などを組み合わせピースはどこかミスマッチでユーモアがある。
そういった要素に交えてフューチャリスティックな一面も投影させた。オーバーサイズのコートやフレアスカートに用いたのは、ビニル加工を施したツヤっぽいテキスタイル。それらはリッソらしい鮮やかなカラーで染められていて、未来的な様子とともに女性の強さも具現化しているようにみえる。