ケンゾー(KENZO)の2019年春夏メンズコレクションが、パリファッションウィーク最終日の2018年6月24日(日)に発表された。
鮮烈なオレンジのスーツから始まった今季は、とにかくそのカラーパレットが魅力。オレンジ、ネイビー、ネオンイエロー、ブラウン、ブルー、そしてグリーン。この多彩なパレットがランウェイを通して流れるように移り変わる。色と色が弾け合うようにイキイキとしていて、そこにテクニカルなファブリック、ロマンティックなプリントが混ざり合うことで、より強烈なインパクトをもたらした。
柄同士は組み合わせることで、より個性的にうつる。チェスターコートには、表地はホワイトにグリーン、裏地はオレンジにネイビーの鳥たちを羽ばたかせた。まるで小紋柄のようなドットのコートには、チェスターコートと同じように鳥たちがはばたくハーフジッププルオーバー、ボトムスにはバラ柄が配されている。
トラッドなチェック柄はネオンイエローを挿入することで、ただクラシカルなだけではない、スポーティなアイテムとしても打ち出している。また、シースルー素材も登場。ニットは、グリーンの中にベージュのシースルー素材が組み合わせられていて、そこからローズ柄のトップスがのぞいている。バッグやシューズはシリコン素材でインダストリアルなデザイン。テクスチャーは対極的だが、同じく透明感がある。
ジャケットのシルエットは肩を強調する古典的なもので、ボトムスは裾を引きずるほどのロング丈にスーパーワイドが主流となった。男性的なボリュームシルエットの中にある、無秩序なカラーとロマンティックなプリントが、ケンゾーならではの奇抜さを生んでいる。