パリメンズファッションウィークで発表された、ケンゾー(KENZO)の2013年春夏コレクション。1970年、高田賢三がパリにオープンした「ジャングル ジャップ」。ケンゾーの原点であるこのブティックは、アジア的な視点から、当時のパリのファッションシーンに大きなインパクトを与えた。クリエイティブディレクターのウンベルトとキャロルは、その当時に想いをめぐらせ、今のケンゾーにとって「ジャングル」が何を意味するのかを考えたのだという。
そんなふたりが提案するのは、最近訪れた南アジアのジャングルと、活動拠点であるパリとニューヨーク、それぞれの感覚をミックスしたスタイル。トラやヒョウ、クロコダイルがファブリックの柄や質感・ディテールデザインに登場し、ジャングルの遊び心と魅力を表現。プリント柄には、タイガーストライプやタイガーが引っかいたかのような切り込み、ヒョウ柄に加え、空色・エメラルド・マンゴーカラーの新しいカモフラージュ柄も登場。また、ポロシャツやスウェットシャツ、Tシャツなどのクラシックなスポーツウェアには、ガラスビーズの刺繍があしらわれた。
着心地の良さや機能性、耐久性にもフォーカスし、暑い気候でも快適に過ごせるよう、オーバーサイズTシャツやドレスシャツ、深いタックの入ったパンツ、膝丈のワイドショーツなどが、コットンや軽量ナイロンなど幅広い素材で展開されている。半透明のストライプシャツやリバーシブルのメッシュアイテムなどが涼しげで、サファリジャケットやスーツには、カスタマイズできるように紐が付いている。
小物も、タイガーストライプ柄のチャッカスニーカーや、スクエアトゥのレースアップシューズ、ストラップサンダルに、クロコダイルプリントのサングラス、渇きを癒すハーネス付きのカンテーン(水筒)などで、ジャングルの要素を取り入れた。ケンゾーの革新的なスピリットへのリスペクトに溢れた、フレッシュなコレクションだ。