サンローラン(Saint Laurent)の2019年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2018年9月25日(火)に発表された。
パリ有数の観光スポットであるトロカデロ庭園で行われる、アンソニー ヴァカレロ率いるサンローランのショー。パリのランドマーク・エッフェル塔を一望できる贅沢な空間に、この夜だけのための特別なショー会場が設けられる。
定刻を過ぎて始まるショーが多い中、予定時刻にきっちり合わせて始まるサンローランのショーは、エッフェル塔のライティングも演出に巻き込む。20時になるとエッフェル塔がキラキラと輝き、特別な光を会場へ届けてくれるのだ。また、半屋外となった会場には、パリ市民がサンローランのショーを一目見ようと訪れている。パリ一体となって始まる、このブランドのショーは特別感が感じられる。
今季は、トロカデロ庭園内の噴水がそのままランウェイに代わり、水の上をモデルたちが闊歩。周りには真っ白なヤシの木を添えられ、陽が沈むとまるでリゾート地のようにヤシの木の向こうには、グラデーションの美しい夕空が広がっていた。
序盤はアンソニーのコードであるボディコンシャスなドレスやミニ丈ドレスなどが並んでいる。つば広のハットが印象で、アイコンであるスモーキングやテーラードジャケットはブラック一色で染められている。
スパンコールでストライプ模様を描いた、ホワイトジャケットの登場からは一転。あらゆる色彩がトロカデロ庭園内に降り立ち、漆黒の世界を色鮮やかに染める。デニムのショートジャケットやスエードジャケット、スター模様のショートジャケットなど、序盤に比べてカジュアルな印象のピースたち。ドレスルックもポップに代わり、シルバースター付きのリボンドレスや、ハートやスターモチーフが散りばめられたドレスなどが登場。スモーキングもラペル全面にスパンコールが施され華やかになっている。
時間の経過とともに漆黒の世界が再び顔を出すが、再登場時にはメタリックカラーを味方につけて、ルックの一部がゴールドまたはシルバーに変更。スパンコールのケープやフリンジ付きのパンツ、幾何学的のシャツなど民族的なエッセンスを融合したウェアが多くみられた。
一度音楽が鳴りやみ、太鼓のような音色とともに登場したのはドレスライン。ヤシの木が並ぶビーチシーンを想起させる、スイムウェアが並んだ。いずれも背中や腰の周りが露出されていたり、センシュアルなデザインを積極的に起用している。
間に差し込まれたドレスは、どれもシースルー素材で軽やかな素材使いが特徴的だ。ロング丈のドレス、マント風のドレスなど、テキスタイルの柔らかさを活かしたロング丈のものが多い。フィナーレはブラックパンツで。ブラックのロングマントとキラキラと輝くシルバーバングルとコーディネートされていた。