ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)は、2021年春夏ウィメンズコレクションをメンズとともにミラノ・ファッションウィークにて発表した。
着る人を中心に据え、エレガンスの追求を続けるジョルジオ アルマーニ。着る人を様々な制約から解放し、個性を主張する一助となる服を目指してきた。厳格さと官能性、都市と異国情緒、純粋さといった要素に新たなエッセンスを取り込みながら、時間を超えたスタイルを構築していく。
今季、重要な鍵を握るのはシルエット。マニッシュなセットアップ、ロングドレス、ロングコートなど、しなやかなテキスタイルで形作る、流れるような縦長のシルエットが散見された。テーラードジャケットは、丈を短く仕立て、ウエストをシェイプさせることで重心を上にあげ、緩やかな分量感のタックワイドパンツとあわせて絶妙なバランス感の佇まいに。緩やかなドレープを描く淡いグリーンのノースリーブドレスは、斜めに落ちる裾が優雅な雰囲気を演出する。
カラーパレットは、グレー、ベージュといったニュートラルな色彩や、柔らかなブルー、グリーン、シャープなブラックを採用。チェックジャカードや幾何学模様、花柄、植物柄など多彩なテキスタイルが登場するが、いずれも凪いだように落ち着いた表情なのが印象的だ。
装飾的なディテールの少ないミニマルなデザインである分、素材の風合いやアクセサリーで華やかさを演出している。透け感のあるフラットなジャケットには大ぶりなモチーフのネックレスを合わせ、ランダムにシワを刻んだプリントスカートとコーディネートすることで表情豊かな着こなしを提示。また、フリンジを配したクラッチバッグやプリーツを刻んだミニハンドバッグ、格子柄の編地で仕立てたハンドバッグなど、バッグ類も目を引いた。
エキゾチックなルックも特徴的だ。大きなボタンをあしらったグリーンのジャケットには、アシンメトリーなスカート、リラクシングなパンツ、フラットサンダルを重ねてオリエンタルなスタイリングに。ノーカラージャケットやコートのウエストには帯のようにして太いリボンを結び、手描きのようなタッチの植物柄ジャケットは和服を彷彿させる合わせに仕立てるなど、オリエンタルなムードを漂わせている。
終盤に登場したイブニングウェアは、ビーズ刺繍やメタリックな生地を用いた、シャイニーなデザインで展開。シースルーのブルーのドレスにはきらびやかな刺繍を配し、その上からブラックの華やかなビーズを連ねて細やかなきらめきをプラス。メタリックな幾何学模様のビスチェドレスには、花のビーズ刺繍をあしらい、大胆さと繊細さを同時に表現した。