ジバンシィ(Givenchy)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。
ウィメンズプレタポルテのデザインチームが手掛けた今季のジバンシィが提案するのは、センシュアリティと劇的なサスペンスを投影した現代のパリジェンヌの装い。創業者ユベール・ド・ジバンシィのアーカイブとの対話を経て、タイムレスなスタイルを提示する。
目を引くのは、アーカイブから引用した文脈に華やかなアレンジを加えたピース。ユベール・ド・ジバンシィが考案したオペラコートから着想を得たブラックのピーコートには、柔らかなウールフリンジを配した。また、艶やかなベルベットコートには羽飾りとスパンコールをあしらい、躍動するディテールを加えて生き生きとした佇まいに仕上げている。
先に発表された2024-25年秋冬メンズコレクションにも登場した、メゾンのアーカイブモチーフであるシャンデリアのグラフィックは繊細なロングドレスに。ラミネートレースでシャンデリアを描いたシースルーのドレスに、ドロップパールを装飾して奥行きのある華やかさを加えている。
散見されたのは、イブニングウェアの要素を落とし込んだウェアだ。中でも注目したいのは、動物を愛したユベール・ド・ジバンシィのエッセンスをクチュールの技巧で表現したルック。トレーンを配したビーズ刺繍のミニドレスや、光沢を備えたジャカードのロングジャケットにはさりげなく猫のモチーフをプラス。淡いグリーンのボリューミーなフェイクファーコートは、昆虫のようなバックスタイルがプレイフルだ。また、スカーフが優雅なカーブを描いてネックラインを彩るトップスやドレスは、ツバメをイメージしている。
テーラードジャケットやクラシカルなコートは、肩パッドを配したストイックなショルダーラインと曲線を描く裾のラインによって凛とした表情に。ユニークなボタンやポケットのレイアウト・デザインも印象的だ。また、レザーのミニドレスに羽織ったおおらかな輪郭のフェイクファージャケットや、シックなパンツスタイルに柔らかさをもたらすペプラム付きのニットトップスなど、緊張と緩和を隣り合わせにしたルックが散見された。
また、ウェアに加えバッグにも、アーカイブのアイディアが反映されている。目を引くのは、ドローコードを絞るとかぼちゃのようにコロンとしたフォルムを楽しめる「パンプキン」バッグ。分量感のあるフォルムで、スタイリングに遊び心をもたらしていた。