アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)が、2019年春夏コレクションを2019年10月17日(水)に、東京・表参道ヒルズで発表した。ランウェイには、俳優や歌手として活躍する城田優が登場。
今季のテーマは、“フォーエバースリル(forever thrilled)”。数年ぶりに、母国の韓国に帰郷したデザイナー・李燦雨は、慣れ親しんだ土地や人々に触れることで、童心に返ったようなワクワク感を覚えたという。目まぐるしい日々の中で、気づかないうちに忘れていく子供時代のワクワク。大人になってからも、その気持ちを忘れないでほしいという気持ちを、クリエーションへと落とし込んだ。
「きらきら星」のオルゴール音と共に、会場に現れたのは5人のダンサー。心臓の鼓動のような激しいビートを時折織り交ぜながら、そのリズムに合わせてブリキのような機械的なダンスが繰り広げられる。そしてその隣には、ブランドの衣装をまとった「レゴ」のオブジェが登場。どうやらこのショー会場では“おもちゃの夜会”が始まるようだ。
ダンサーと入れ替わるようにして、頭にレゴのヘッドピースを飾った“ぜんまい仕掛け”のモデルたちが現れた。
今季のコレクションを彩るのは、子供の頃に遊んだ大好きなオモチャが着想源という、グラフィカルなプリント。消防車や機関車をイメージしたその模様は、イエローやレッドに彩られていて、プレイフルな雰囲気を纏っている。しかし大人のカッコ良さも忘れたくはないから、時折ハードなブラックをアクセントに差し込んでいる。
ブランドを象徴するディテールのジップは、より自由な精神で洋服の上を駆け巡る。ソフトな質感のフーディーコートや、ジャケットのスリーブに張り巡らされたジップは、開放することで、予測のつかない自由なシルエットを演出する。
バックスタイルの装飾にも、ワクワクの詰まった仕掛けが施されている。李燦雨の干支にちなんで登場した“龍”は、きらきらと立体的なスパンコールをあしらって、躍動感溢れる仕上がりに。日本のカラクリ玩具をイメージしたというモチーフには、実際に板のような骨組みが入っていて、モデルが歩く度にぱたぱたと揺れ動いていた。
ショーのラストには、モデルのぜんまいがきれてしまうという演出も。そろそろおもちゃたちは、元にいた世界に戻らなければいけないようだ。オルゴールの音ともにランウェイを後にするモデル達。会場に残された観客は、まるで子供のように目をキラキラとさせて、盛大な拍手を送っていた。