ミラノで発表されたコスチューム ナショナル(CoSTUME NATIONAL)の2013年春夏メンズコレクション。デザイナーのエンニョ・カパサが常にインスパイアされてきた、ニューウェーブとポストパンクのムーブメントをエッセンスにサファリのテイストを加え、反抗的でありながらもモダンでシックなスタイルを提案した。ショーのBGMもデヴィッド・ボウイがアフリカのモンバサへの旅をイメージしてつくった「African Night Flight」。
サファリジャケットは軽いブラックレザーで仕立て、スーツはコットンシルクをレーザーカットで仕上げた。バッグにもなるボンバージャケットに2ウェイのオーバーサイズのショートパンツなどユニークなアイテムにも注目したい。また、今回印象的なのは、シルエット。ジャケットはイタリアの伝統的なサルトリアスタイルで仕上げられながらも、肩がルーズフィットなのがポイント。パンツもスリムとワイド、2つの異なるフィット感で発表した。
カラーパレットは、サファリスタイルに欠かせないサンドベージュやグレイ、そしてコスチューム ナショナルらしいシャープな黒。そこに美しいラピス色が上品なアクセントとなった。足元には、ジッパーがアクセントのグラディエーターサンダルやデザートブーツなどを合わせ、アクティブなイメージを際立たせた。ベルトやiPadケースなどのメタルが施されたハードな印象の小物たちがスタイルを一層モダンにみせている。
シルエット、素材、ユニークな2ウェイのアイテムなど、革新的な挑戦が多く見られた今季。デザイナーが持つ、「レーベル シック」(反抗的でありながらも洗練された)の姿勢が強く表れたコレクションとなった。