3.本場「フィリップス・コレクション」を再現!?
ニューヨーク近代美術館(MoMA)に先駆け、アメリカ初の近代美術館として誕生した「フィリップス・コレクション」は、美術収集家ダンカン・フィリップスの旧邸宅に立地。暖炉や細かい間仕切りなど、アットホームな内装が魅力で、フィリップスが自宅で鑑賞を楽しんでいた当時の雰囲気が味わえる。三菱一号館美術館では、暖炉や間仕切りのあるよく似た構造を活かして展示。ワシントンD.C.にある「フィリップス・コレクション」を訪れたかのような本場の雰囲気を体感できる。
ダンカン・フィリップスってどんな人?
ダンカン・フィリップスは、生涯を費やし芸術作品を収集し、アメリカ初の私立美術館をオープンさせた、アートコレクター。独学でアートを学び自分の感性と審美眼で作品をセレクト。西洋絵画はもちろん、自分と同時代の画家たちの作品も収集し、色彩・構図などさまざまな観点から、名画と比較して鑑賞するのを好んだという。
絵画をコーディネートして楽しむ
収集した作品は、自宅に飾って楽しむのがフィリップス流。作家や作品の知名度や価値で評価するのではなく、自分の好みかどうかがポイント。インテリアコーディネートをするように、絵画の配置を楽しんでいたのではないだろうか。
三菱一号館美術館は、クラシカルな雰囲気で、館内そのものも芸術作品のように美しい。明治時代の設計図や写真をもとに復元された建築物だが、建物の一部には保存されていた当時の素材が再利用されている。階段手すりの少し色の変わった部分は、保存部材を使用。手で触れると少しザラっとし、時の経過を感じさせる。
展覧会場を抜けると、全面窓ガラスの絶景ポイントが出迎え。「丸の内ブリックスクエア 一号館広場」を見渡せ、奥には丸の内仲通りが広がり、開放的な雰囲気を楽しむことができる。
三菱一号館美術館内には、アートグッズを買える「Store1894」も併設。オシャレなステーショナリーや小物などは、美術館を訪れた記念に買い物をするのがオススメだ。「フィリップス・コレクション展」の展示作品が、ミニチュアサイズになった「ミニチュアキャンバス」も注目。
アート鑑賞を楽しんだ後は、スイーツでほっと一息するのはいかが?三菱一号館美術館併設の「Café 1894」は、三菱一号館創建当時、銀行営業室として利用されていた空間を復元したカフェ。銀行窓口を想起させるクリアな壁面や、スッと抜けた高い天井が印象的だ。
夜20時からは、フィリップス・コレクション展開催記念の「アートな夜パフェ」が登場。クリームやアイスクリームなどを14層にも重ね、みずみずしいシャインマスカットなどのフルーツをデコレーション。タワー型のパフェは、芸術作品のようなドラマティックな仕上がりだ。
丸の内1日観光のラストを締めくくるのは、丸の内エリアの夜散歩。丸の内エリアを中心に二重橋、有楽町エリアまで、冬の季節は幻想的なイルミネーションが飾られている。「丸の内ブリックスクエア 一号館広場」には、12月25日(火)のクリスマスまでホワイトカラーのツリーを設置。キラキラと輝くオーナメントも飾られ、華やかな雰囲気が広がっている。