プラダ(PRADA) 2019年プレフォール ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで開催された。
メンズとの合同ショーとなった今季。テーマに掲げられたのは、19世紀のロマン主義から着想を得た“ロマンティック ポップビジョン”だ。当時の社会運動の背景にあった、人々の苦悩や不安から、デザイナーのミウッチャ・プラダは、社会に馴染むことが出来ない“フランケンシュタイン”のような人物像を思い浮かべた。
一般に“ロマンティック”という言葉から連想する甘美な情景とは相反する、ゴシックなムードのウィメンズコレクションが展開された。
ファーストルックは、ゴシックを象徴するブラックで統一したドレス群から。胸元が大きく空いたセンシュアルなドレスに組み合されたのは、ゴツゴツとした無骨なソールが印象的なスニーカーだ。マウンテンレースで使用される“バイクのタイヤ”から着想を得たというこのシューズは、コレクション全体を通してモデルの足もとを飾るもの。女性らしいドレススタイルにも、確かなエッジをきかせている。
メンズ同様、コレクションに彩りを与えたのは、ロマン主義をイメージしたカトゥーン風のグラフィックである。モヘアニットを差し込んだバラ柄のシャツには、フランケンシュタインがモチーフとなる総柄のスカートを重ねて。エッジのきいたスタイリングの中にも、モデルのシルエットを強調するビスチェを取り入れて、女性らしさを演出することも忘れてはいない。
プラダお馴染みのエナメルを使ったミリタリージャケットも登場。またそのシルエットを真似たであろう、ボリューミーなファー付きのニットも姿を現わした。“蜂の巣の穴”のように凹凸のあるニットには、煌めくジュエリーを埋め込んで。“戦闘服”がもととなるマニッシュな要素を感じさせない、ガーリーでデコラティブな一着に仕上げている。
可憐な花のエンブロイダリーを施した、爽やかなブルーのシャツワンピースは、ブランド定番のポプリンコットンで仕上げたシャツをアップデートしたもの。そこにはウエストを留めるベルト、チェーンをあしらったバッグ、肩から伸びるストラップなど、硬質なブラックレザーで統一されたハードなアクセサリーをスタイリング。異なるテイストが共存しながらも、確かな女性らしさを香らせるプラダらしいスタイリングが披露された