ディオール(Dior)のウィンター 2019-2020 メンズ コレクション、2019年1月18日(金)にフランス・パリで開催された。
メンズのアーティスティック・ディレクター キム・ジョーンズは、今季のクリエーションもクリスチャン・ディオールの人生から模索。当時アバンギャルドとされたディオールの最初の仕事に焦点を当てた。“翻訳”のプロセスをテーマに、ディオールの伝統を現代へと再解釈したピースが、ランウェイの上へと登場する。
会場に設置されたのは、約76メートルにも及ぶ可動式のロングランウェイ。会場の端から端まで“流れて”いくモデルたちは、淡いブルーやグレー、ナイトブルー、ブラックといったダークトーンのワードローブに身を包み、堂々とポーズを決めている。
内側も外側も完璧を求めるクチュールのクリエーションへのオマージュとして誕生したのは、リバーシブルのジャケットやロングコート。そのライニングを露わにしたかのように、取り入れられたサテンは、スーツ地に上品な光沢を添えて、ラグジュアリーなムードを高める。
オートクチュールの気品溢れる側面は、その素材や仕立て方法にも反映された。軽やかで実用的なナイロンは、シルクのような光沢感を帯びているし、メゾンの新たなノウハウから生まれたニットは、波状の光沢感があるモアレのような効果を演出する。オートクチュールの象徴となるレースは、ボディラインにフィットしたセーターに合わせて緻密なカットが施された。
ムッシュ ディオールが愛したアニマル模様は、ファーやニット、インターシャツなどに登場。レオパード柄のロングジャケットには、ブルーのメタリック加工を施して、フューチャリスティックな印象に。前身頃にブラックレザー、スリーブにタイガー模様のファーをあしらった、ハイブリッドなショートジャケットもラインナップする。
ショーのインビテーションのデザインにもなった女性のグラフィックは、アーティスト レイモンド・ペティボンとのコラボレーションによって生まれたもの。デッサンのように描かれた“モナリザ”を連想させる女性像は、ニットやジャカード生地の上、もしくは手作業によるエンブロイダリーに登場する。
スタイリングのアクセントとなるバッグにも新作が続出。メンズ・ラインの為に新たに再解釈された「サドル」バッグには、ナイロンモデルとレオパード柄モデルの2種類を展開。またユニークなアニマルのモチーフをストラップに配した、立体的なフォルムのレザーバッグも登場する。