エズミ(EZUMi)は、2019-20年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
今季のキーワードは、シルエット・ボリューム・サイズ。シルエットが大きければ大きいほど高いステータスを表した、18世紀・ロココ時代に生まれたサックバックドレスや、19世紀・ロマン主義におけるクリノリン、ボトムに広がりのあるバッスルスタイル、ジゴスリーブ、といった服飾からインスパイアされている。現代から見ると極端ともいえる、構築的なファッションのフォルムをモダナイズし、新たなシルエットを表現している。
象徴的なのは、ダイナミックなAラインのコートやジャケット。グレンチェックのウール地とキルティングを前後で切り替えたロングコートは、ドレスのようにゴージャスな分量感が魅力。前を開けて着ると、エレガントなドレープ感がより一層強調され、気品の溢れるムードが漂う。
極端なボリュームのワイドパンツも特徴的だ。コートと同じく、ドレスのように贅沢に広がるタイプの他、緩やかなタックを取った、メンズライクなネイビーのワイドパンツや、サイドプリーツを施して縦のラインを強調したパンツなども登場する。チェックのワイドパンツには、ボア、フェイクファーをあしらった白のニットカーディガンを合わせ、空気を含むような柔らかさを演出している。
また、プリーツやギャザー、レースといった装飾的な要素も散見された。総レースのロングドレスは、生地をたっぷりとってギャザーを寄せた贅沢な仕立て。きめ細やかなオールブラックのレースは、繊細で洗練されたフェミニティを描き出す。襟にファーをあしらったコートに組み合わせた、アシンメトリーなフォルムのスカートは、プリーツが組み合わせられることにより、動きのある仕上がりとなっている。
ベルトのストラップをあしらい、レースで縁取ったワンピースを彩るのは、アングロマニー(英国趣味)の影響を受けたスコットランドのタータンチェック。温かみのあるレッドが、クラシカルで穏やかな表情を見せる。タータンチェックは、ブラックのニットと組み合わせたトップスや、大胆な切り替えのスカートといった、コンテンポラリーなデザインのウェアにも採用。古典的表現を引用しながら、現代的で洗練された、新たなスタイルを提示した。
[ EZUMi × INTERMEDIATHEQUE ] Space design by ©UMUT works