創業88年の伝統をもちヨーロッパの有名メゾンからもオファーを受ける、小野莫大小工業(オノメリヤスコウギョウ)が展開するコンセプトショップ「スムースデイ(smoothday)」が2012年9月3日(月)に表参道にオープンする。”肌にあう、が見つかる。”というコンセプトのもと、若手デザイナーの杉原淳史のデザインによる、コットン100%の最新素材「コズモラマ」を使ったアイテムを展開している。様々なタッチを持つ肌触りや心地よさを発信する、新しいスタイルのショップだ。店内にはカットソーを中心に、ストールやクッションなど、生活にまつわる商品を取り揃える。目指したのは、幅広い人々に素材の魅力を実感してもらい、それをきっかけに、ファッションの楽しさに目を向けてもらうこと。
コズモラマはコットンを原料に、吸水性や速乾性といった高い機能性と、肌触りの良さを追求して開発された仕立てた特殊素材。研究には、12年以上の歳月がついやされ、今では多くのラグジュアリーメゾンでも使用されている。
スムースデイのデザイナーである杉原は、文化服装学院で学んだ後、フランスに渡り一流メゾンで働いていた際に、小野莫大小工業の生地「コズモラマ」と出会った。その生地がもつ創造性と着心地に魅了され、多くの人にその魅力を伝えたいとの想いを胸に帰国。一部の人の楽しみに留まっている日本のファッションの現状を変えようと、スムースデイを立ち上げた。「デザインだけではなく、着心地の良さを伝えていく事をやらないと、ダメだと思いました。この生地を触って、これだけでいけると思いましたね」と語る。彼のデザインは、ベーシックな中にも、タックを使い誰が着ても美しいシルエットに見えるような工夫を施すなど、服を愛するデザイナーならではの想いが込められている。
シンプルで優しい色調の店内にはベンチやクッションが設置され、多くの人にショッピングを楽しんでもらえるようにと工夫が施されている。インテリアデザインを担当した14sdの林洋介は「生地の可能性を感じたので、それをどう広げていくかを考えると、これまでのファッションとは違う伝え方が必要だと感じました。ここは最高の素材(コズモラマ)があり、調理人(デザイナー)がいて、お客様がいる、レストランなんですよ」と語る。店内奥にはアトリエも設置されており、そこで作業するデザイナー自らがお客と一緒に語り合いながらブランドをつくりあげていけるような空間となっている。
そしてパッケージやショップロゴなどのアートディレクションを手がけたのは、EDING:POSTの加藤智啓。製品化できなかった生機(キバタ、染められる前の生地)を再利用したショッピングバッグや、書類ケースとして再利用できるA4、A5サイズのパッケージなどのアイデアも加藤の提案だ。「例えば、ファッションだけじゃなくて、買い物し終わっても楽しめて、スムースデイを感じてもらえる、ライフスタイル全体に関わる、そんなお店にしたいと思ったんです」(加藤)。
今回初めてショップを展開する、小野莫大小工業の小野元延社長はデザイナーの杉原との出会いを「彼の人柄とか想いとかが良いと思ったんだよ。ここまでの1年ほんとに早かったね」と振り返る。また、「ジャージーがこんな風にディスプレイされるなんてね」と笑いながら、この生地とショップの未来について期待を込めて話してくれた。
テキスタイルから始まり、日常の様々なシーンを”気持ちよく”を演出するスムースデイ。素材の魅力を様々な人に伝え、客と一緒にライフスタイルを作り上げていこうとする姿勢は、これから日本のファッションやショップの在りかたに新たな一石を投じている。
【ショップ情報】
スムースデイ(smoothday)
住所: 東京都渋谷区神宮前3-7-11島名ビル1階
オープン日: 2012年9月3日(月)
TEL: 03-6434-5910(オープン日より開通)