ティート トウキョウ(tiit tokyo)は、2019年秋冬コレクションを2019年3月18日(月)に渋谷ヒカリエで発表。ランウェイには小松菜奈も登場した。
夜を迎え、1日の終わりに流れる穏やかな時間だからこそ聞こえてくる様々な音。今シーズンはその繊細な音に目を向けた。掲げたテーマは「Voice」。明るく賑やかな昼間には気づくことのなかった、夜のささやかな音が集まることで生まれたドラマティックな物語は、ゆっくりと綴られていく。
物語の舞台は虹の上。この世界にはたくさんの住人がいて、身長が高い人もいれば、低い人もいる。これまでのティートの提案にはなかった男性モデルの存在は、その空想の世界をリアルに近づけている。
水彩の滲みを繊細に表現したスエード、陰のある色とりどりの花柄プリントは、この架空の世界がもつ朧気な雰囲気を匂わせる。そして、ハンドニッティングでつくったカラフルなニットの数々は、物語の朗らかな1ページを感じさせた。
ワンピースやワイドパンツなどで見る揺れるようなシルエットがある一方で、対照的なキルティングの硬質的なテクスチャーで構築するAラインのコートやジレも登場する。パッチワークのようにつなぎ合わせたファーのポンチョは、まるで跳ねるような躍動感で、この物語をラグジュアリーかつプレイフルに彩っていく。
柔らかな空気感は同じでも、表現するものは“夜に聞こえる音”と同じく多様性に溢れている。そしてそれが、この世界の住人の個性を示しているみたいで面白い。
そして、足元は刺激的なネオンカラー。カーキのオールインワンとグリーンのティアードスカートには爽やかなブルー、クラシックなストライプのペンシルスカートには目の覚めるようなグリーン、真っ白なワンピースと柔らかなベージュのシアーワンピースには弾けるようなオレンジをあわせて、虹色に負けないほどの存在感でこの物語の1ページを綴っていた。
前シーズンでもティート トウキョウのランウェイを歩いた小松菜奈。今季もまた登場し、“虹の上の物語”の登場人物となった。水彩画のような淡いブルーのワンピース、幻想的なバラ柄のロングドレス。たっぷりのラッフルをあしらったブラウスといった3つのルックで虹の上を歩いた。