トム ブラウン(THOM BROWNE)は、2021年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを、パリ・ファッションウィークにてデジタル形式で発表した。
今季は、オリンピックから着想を得て、月で行われる初のスポーツの試合をイメージ。スポーツウェアへのオマージュや、競技を連想させるモチーフをあしらい、クリーンなホワイトで全てのピースを統一。全てを真っ白にすることで、どこか未来的なムードを漂わせている。
ブレザーやコート、プリーツスカート、ペンシルスカート、センタープレスパンツなどを組み合わせ、メンズウェアをウィメンズウェアとして、ウィメンズウェアをメンズウェアとして着る、ジェンダーフリーなコレクションが展開された。
全ての色を白で統一している分、生地に施された細やかな加工や刺繍が目を引く。素材は、ウール、コットン、カシミア、シルク、サテンを採用。インターシャで表現されたコートやトロンプルイユドレスには様々なピクトグラムが描かれている。また、表情豊かなツイードジャケットや、手刺繍を施したシアサッカーストライプのウールコートなども登場。直線的なフォルムのスカートやブレザーにはエンブレムのモチーフを反復するようにあしらい、ユニフォームを連想させるデザインに仕上げた。
また、サテンとグログランリボンを繋ぎ合わせて一枚の生地に仕立てたジャケットや、異なる素材を格子状にパッチワークしたスカートなどは、質感のコントラストを見せ表情豊かな仕上がりに。プリーツスカートのひだの部分をメッシュで切り替えたスカートは上品な佇まいにアクティブさをもたらし、精巧なキルティングを施したジャケットや身頃をビーズ刺繍で埋め尽くしたジャケットは、クラフト感溢れる繊細な華やかさを見せる。
また、ウェアをドッキングさせたダイナミックなデザインも散見された。スカートのようにしてテーラードジャケットを腰に巻き付けたルックや、後ろにコートをそのまま縫い付けたようなドレスなどが登場した。リボンの刺繍をあしらったシアサッカーのベストにはロングジャケットをドッキングさせ、ユニフォーム然としたクラシカルなスタイルにユニークさや大胆さをプラスした。
アメリカのスポーツウェアを彷彿させる、ヌバックのレザーバッグとシューズをはじめ、小物類にも注目だ。チャンキーニットのカンカン帽は、そのままかぶったり、縁をひっくり返してかぶったりしてスタイリングに加え、同じくチャンキーニットのホワイトソックスと連動させた。また、トム ブラウン定番の犬モチーフのハンドバッグ「ヘクター バッグ」もオールホワイトで展開された。