2012年9月10日、グリフィン ハートランド(Griffin Hartland)が2013年春夏コレクションを発表した。デザイナーが住むハートランド島の海や野原の風景など、島での生活を切り取ったようなショートムービーが流れた後、サイレンともにショーはスタートした。「今シーズンはブリティッシュネイビーがテーマです。海軍のユニフォームはアメリカでもイギリスも、どの国のものでもとても素晴らしいものですから」とデザイナーのジェフ・グリフィンは語る。
カラーパレットはネイビー、カーキ、オリーブグリーンなどに、靴下やアクセサリーの、ネオンイエローやビビッドなブルー、ピンクなどがアクセントになった。軽さと機能性を持ち合わせたジャケットやショートパンツの他、ポロシャツやツイードのジャケット、ドクター マー チン(Dr.Martin)のブーツなど、今季もイギリスらしさ溢れるアイテムが多数登場。
シャツの襟を立ててカジュアルなアウターや蛍光カラーのチョーカーと合わせたコーディネートなど、英国紳士のスピリットを感じさせながら、スポーツ、アウトドア、ミリタリーといった要素をミックスしたコーディネートが、彼自身が目指すスタイルを象徴しているようだ。大きく機能的なリュックや、首からかけた双眼鏡や水筒など、キャンプ用品も手掛けるデザイナーならではの遊び心溢れるスタイリングも見逃せない。
グリフィンは、クリエイションの拠点である自然豊かなハートランドと日本で共通する点はあるか、という質問に「膨大な情報が行き交う世の中で、頭をクリアにするための場所をみんな必要としているのだと思います。それは、東京に来てからいろいろな所を巡ってみても感じます。こうした都会でも緑がたくさん見られるのは、そうしたハッピーになれる場所を探しているからだろうって。そんな時、ライフスタイル全体を提案するという自分の考 えは、場所に関わらず理解されるんじゃないかと思えるのです」とコメント。
物質や情報があふれた都会と、広大な自然に囲まれたハートランドという場所。異なる2つの世界を行き来する彼は、それぞれの場所が持つ“豊かさ”の魅力を、服のデザイン通じて伝えているのかもしれない。