リミ フゥ(LIMI feu)は、2019-20年秋冬コレクションのランウェイショーを、2019年5月31日(金)に、表参道ヒルズ・スペースオーにて発表した。モデルとして、玉城ティナが登場した。
コレクションに通底していたのは、“ボディコンシャス”。服を着ることで、より一層身体への意識が高まっていく。それはタイトなピースばかりでなくオーバーシルエットのルックでも共通していることで、呼応する衣服と身体の関係性を浮き彫りにした。
目に留まったのは、あばら骨のような装飾を施したオールインワンやドレス。決して身体を拘束することなく緩やかなカーブを描きながら、ボディの側面に沿うようにして細いストラップが連ねられている。生地の分量をとって仕立てられたオールインワンやコートのしなやかな動きに連動して、服に躍動感を与える。
ウエスト部分にストラップを這わせた黒のブラウスには、軽やかなチュールスカートをスタイリング。弾むように動くスカートと、さらりと下に向かって伸びるブラウスの生地の質感がコントラストを描く。
“ボディコンシャス”を明白に体現していたのは、ファスナーとギャザーを組み合わせてタイトに仕上げたドレスやジャケット、ミニスカートだろう。エルザ スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)から着想を得た、ショッキングピンクのロングドレスやミニスカートのルックは、主にブラックやネイビーなどダークトーンを基調としていたランウェイ上に、アヴァンギャルドでセンセーショナルな空気をもたらした。
ファスナーは、前身頃の中心部に大胆にあしらわれたり、後ろから前にかけて服を分断するように取り付けられたり。ファスナーがあることによって刻まれるギャザーやドレープ、そして、ファスナーを開閉することで生まれる変形の可能性が、より一層センシュアルな雰囲気を与えている。
一方、身体を拡張するかのように極端なオーバーサイズに仕立てたライダースジャケットやワイドパンツ、オールインワン、ブラウス等も登場。袖と腕の間に空気をはらむようなドルマンスリーブのワンピースは、生地の流れを利用した造形が特徴的。上から下まで布地の流れを止めることなく、完全に身体を包まずして、身体を覆い隠している。人が袖を通すことで生まれる神秘性が、逆説的に身体性を際立たせている。