2012年10月12日(金)、ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)が東京・恵比寿ガーデンプレイス内ザ・ガーデンホールで2013年春夏コレクションを発表した。 タイトルは「海の色、光の影」。カラフルで艶やか、生き生きとした生命のエネルギーを感じさせる力強くも美しいコレクションとなった。
オープニングではドレープのカーテンに、キラキラとした水面の下で悠々と泳ぐクジラの親子やいるかたちが映し出され、続いて熱帯魚の群れが泳ぎ回る。そのうちカーテンのセンターが開かれ、鮮やかなプリントのマキシドレスをまとったモデルがランウェイを歩き出す。観客はまるでランウェイに熱帯魚の化身が飛び出したかのような錯覚に陥いった。
鮮やかな熱帯魚が大胆にプリントされたマキシドレス、ボディラインに滑らかに沿うAラインのワンピースや、柄のシフォンをたっぷりと重ねたドレスは歩くたびに表情を変え、ランウェイを歩くモデルは尾ひれをひるがえし泳ぐ魚さながらだ。大判の布を巻いたり結んだりしているようにデザインされたドレスは、ギリシャ神話に登場する女神へのオマージュを思わせる。
薄暗く神秘的な夜明けのムードから中盤にかけて照明が明るくなり、昼へと展開。白を基調としたルックではオールインワン、パーカ、斜めに施されたジップ使いなどで、エレガンスにワークなエッセンスを投入。イージーパンツやガーゼのように柔らかい素材など、リラックスしたムードを醸し出した。
珊瑚の表面のようなグラフィカルなプリントのツーピースや艶やかな貝殻のポケットなど、ふんだんに海の要素がデザインに落とし込まれている。
またワントーンのカラードレスに映えるシルバーのアクセサリーや、ひざ下にシャイニーな箔のプリントをしたタイツ、メタリックに輝くレギンスなど小物にも注目。暗転して夜の雰囲気になり、深海魚を思わせる複雑なグラデーションのプリントで彩られたルックが登場。パワーボリュームのスカートや立体的なボリュームをもったショルダー、カラフルでコントラストの強い色彩は、躍動感溢れる海の生き物たちの命の輝きを感じさせフィナーレまで観客を魅了し続けた。