2012年10月16日(火)、原宿ラフォーレミュージアムでファーファー(fur fur)の2013年春夏コレクションが発表された。今回10回目を迎える記念すべきコレクションは、水彩画アーティスト植田志保とのコラボレーションで展開された。
エントランスに入ると、画材やデッサンなどが無造作に置かれた、アトリエのような不思議な空間が観客を出迎える。会場は観客が場内を回遊する形式が取られており、センターにマイクが置かれたメインステージには、天井から色とりどりのデコレーション吊るされ、まるで舞台のステージのような演出がされた。
「胸をなでおろすライラックの16:00色」「ひょんな一瞬に無重力の庭色」などポエティックな色の名前を唱えながら、次々とその色が塗られたキャンバスを手にしたモデルが登場。この叙情的なカラーは22体それぞれのルックにつけられた色の名前だ。既成のカラー名では定義できない、にじんだような複雑な色のアートは、ワンピースのプリントからサロペットやトレンチの包みボタンに至るまでテキスタイルの随所にプリントされている。
これまでは基本的にカラーパレットは最小限に、ベージュなどのアースカラーを基調にしてきたファーファーだが、クリエイティブ・ディレクターのチダコウイチの「ようやく"いろ”という言葉と意味を紡ぐことができる人に出会いました」という言葉通り、アーティスト植田との出会いがファーファーに「色」を与えることに成功した。