2012年10月18日(木)、ソマルタ(SOMARTA)が2013年春夏コレクションを発表した。テーマは「BLOOM - 百花譜 -」。草花が咲き誇る様子が幻想的に表現された。
きっかけは、デザイナーの廣川玉枝がオーストリア旅行で見つけたユーゲント・シュティール(ドイツ語圏における"アールヌーヴォー"のこと)の芸術。それを掘り下げていくうちに、そこにジャポニズムの影響が色濃く反映されていることに興味を引かれ、このコレクションで西洋と東洋の美の融合を試みた。
初挑戦の、レースのような総柄の刺繍で表現された有機的でグラフィックな柄の中には、花や昆虫、精霊たちが生きている。動物や植物を超絶技巧で描いた伊藤若冲の絵の、ファンタジックな世界にもインスパイアされたのだという。
自然から取り入れられたカラーパレットは、透明感あふれるグリーンやイエロー、シャンパンにクリーム、そして廣川が"広重ブルー"と呼ぶ鮮やかなブルーがみずみずしい生命力を伝えてくる。モコモコとしたニットも、植物が咲き誇るイメージ。優雅な曲線で構成されたシルエットにも、草花の神秘が表れている。
友人のイラストレーター、KITAJIKOが手掛けたプリントにも浮世絵の影響が。また、日本の着物の文化にあるような、柄と柄、色と色との組み合わせのおもしろさにも惹かれ、実験的なスタイリング挑戦した。スキンシリーズのタイツはシューズまでもを包み込んで、幻想的な世界観を完璧なまでに演出している。
ラストは優雅なドレスのシリーズ。花が鳥や虫を誘うように、魅惑のオーラでフィナーレを飾った。ここまで深く日本美を掘り下げたの初めてと語る廣川は、「日本の美術は世界一素晴らしい」と語り、その探究心はまだまだ尽きることはないようだ。