ゲラン(GUERLAIN)の“名香”「ミツコ」が、100周年を記念して“金箔×書”の限定ボトルになって登場。「ミツコ 100周年 アニバーサリー エディション」が、2019年11月15日(金)から数量限定で全国発売される。
今なおゲランで根強い人気を誇るフレグランス「ミツコ」。この香りを信奉する著名人は多く、ダイアナ妃、チャーリー・チャップリンなども愛した香りとして知られる。
“名香”と親しまれるアイコンフレグランスが生まれたのは、今から100年前のこと。創作年の1919年は、ちょうど第一次世界大戦が終盤を迎えた時期で、女性たちが産業界へ進出し、地位や自由を獲得してきたタイミングだった。
同時に、フランスでは“ジャポニズム”が流行。歌麿、北斎といった日本の芸術はとりわけ人気で、プッチーニの『蝶々夫人』やモネ、ゴッホの油絵作品などを通じて、ジャポニズムが本格的に広まっていった時期だった。
ゲランは、ナポレオン3世の妃の愛用フレグランスを作り、王室御用達の香水ブランドとして発展。フランスの古き良き伝統を支えてきた名門フレグランスメゾンだ。
なぜ、そんなフランスのメゾンが1世紀に渡って愛され続ける“名香”に「ミツコ」という名をつけたのか。
同時、ゲランの調香師だったジャック・ゲランは、芸術家たちと親交があった人物。仲間の中には、ジャポニズム流行のきっかけの一つとなったモネの存在もあった。彼らとの交流を通して、日本に興味を持ったジャックは友人からある小説をプレゼントされる。
その小説とは、クロード・ファレールの『ラ・バタイユ』。1905年の日露戦争のさなか、イギリス人将校と日本女性の“禁じられた恋”を描いた物語だ。その登場人物こそが「ミツコ」。東洋と西洋の狭間で漂う登場人物から得たインスピレーションが、アイコンフレグランス「ミツコ」の一つのきっかけとなったとされている。
ゲラン「ミツコ」が類をみないほど長い寿命で愛され続けているのは、そのテーマ性はもちろん、革新的な香りだったから。ゲランは「ミツコ」以前からシプレーの香りをフレグランスに起用していたが、「ミツコ」で初めてフルーツの香りとミックスさせた。
選んだのは、ジューシーなピーチ。ピーチの香りを香水に入れたのは、世界でゲランの「ミツコ」が初めて。そしてフルーティーなシプレノートが生まれたのもこの時が初めてだった。
1)ベルガモット
「ミツコ」を構成する4つの大事な香りのうち一つは、ゲランのフレグランスほぼ全てに使用されているベルガモット。爽やかで喜びあふれる香りはトップノートに使用され、肌にのせるとふわっと爽快に広がるのが特徴だ。現「ミツコ」には南イタリアのベルガモットを使用している。
2)ジャスミン
ジャスミンの優美で華やかな香りは、「ミツコ」の明るさを表現してくれる。ゲランは、フランス、イタリア、エジプトなど世界各地で作られるジャスミンをブレンドして、一定の香りを保持。
3)ローズ
ジャスミンと組み合わせて登場するのがローズ。バラの香りを重ねることで、香りはよりリッチになりボリューム感が生まれる。ブルガリア、トルコなどローズの名産地をはじめ、南フランスからも取り寄せ、うっとりするフラワーノートを完成させている。
4)ベチバー
「ミツコ」の官能的な側面を担うのが、イネ科の植物・ベチバー。ミステリアスな表情も引き出してくれる深みのある香りは、一度嗅いだら忘れられないウッディな香りの余韻をもたらしてくれる。
これら4つの香りに、象徴的なピーチなどを重ねることで、100年もの寿命で生きる名香が作り出されている。
長い年月の間、同じ香りの質を維持することは大変な労力を伴うこと。そのために、ゲランの5代目調香師ティエリー・ワッサーは、新しい香りをクリエイトするだけでなく、調香師の仕事のうち30%の時間を世界中を旅し、上質な香料を探し求めている。
また「ミツコ」といえば、香りだけでなく、そのアイコニックなボトルデザインも特徴。優しい丸みを帯びたボトルは、女性のなで肩をイメージしたもの。一目でゲランとわかるボトルキャップは、ハートを逆さにした“逆さハート”がモチーフになっている。